遠回り
陥落を知っている
あの子は私だ
目をぎゅっと瞑って
最初に覚えたのは
見なかったことにすることだ
嘘を吐くのは嫌いだから
嘘を本当にするように
暗示をかけた
暗示をかけた
転んで擦りむいた膝小僧も
水に浮かぶ服を着たままの身体も
青空に吸い込まれていく手のひらも
言葉にぶたれた鈍い心も
君はどんどん
どんどん忘れていった