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lyric

独り善がり

無患子の下に 子どもが一人
潰すように 未来を握って
「誰にもきっと答えられない」

本当は 言葉なんて苦手だ
伝えたいことは 何も
笑いたいのに 哀しみたがりだ
愛してたものを 置いてきた気がするだけ

銀杏の下で 息を潜めて
汚れた香りを 蹴り上げた
「知らなくたって生きられるけど」

本当も嘘も みんな嫌いだ
信じたいものは 何も
泣きたいときほど 泣けないもんだ
頑張れば 必要とされる気がしただけ

閉め忘れた窓から
白い烏が囁いた
「悪魔しかいない世界を 君が
 本当に不幸せだと言うのなら
 天使しかいない世界を 君は
 本当に幸せだと言えるのか」

三本松から 離れ往く音
明日に急かしては 知らん顔
「そのままずっと忘れてしまえ」

本当も嘘も みんな嫌いだ
信じたいものは 何も
笑いたいのに 哀しみたがりだ
愛してたものを 置いてきた気がするだけ

本当に “本当”のない僕だ
なりたい自分は 何処にも
愛したいのに 愛されたがりだ
思い出せば 許されるような気がしただけ

答えを見つけたなら
今度はちゃんと届けよう

2012/03/20

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